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第十回 かし保険躯体検査前後の工事の注意点・Ⅵ(水平構面:床組)

床組工法と床倍率

床倍率とは、品確法性能表示制度独自のチェック項目で、壁の強さを表す壁倍率と同じように床の強さを表す指標です。床倍率は壁量計算(=長さ×壁倍率)とは異なり、床組の工法や水平構面の仕様によって倍率が決められています。

床・釘の仕様と床倍率(抜粋)

参考:国土交通省告示1347号抜粋
この表において「構造用合板」は合板の日本農林規格(平成15年農林水産省告示第233号)に規定する構造用合板の特類又は1類を、「構造用パネル」は構造用パネルの日本農林規格(昭和62年農林水産省告示第360号)に規定する1級、2級又は3級を、「鉄丸釘N50」はJISA5508-2005に定めるN50又はこれと同等の品質を有する釘をいう

床組工法と施工性

水平構面の剛性を高めるという意味では根太レス工法が数値上は優位です。しかし現状では、1階部分は基礎と土台で剛性が確保でき、不陸の調整も根太と床束でできること、また配管や配線の施工性や基礎からの湿気を回避する意味で根太組工法が多く使われているようです。逆に2階以上では一体化した床剛性があり、上棟時に2階床が作られる根太レス工法が作業性も高く安全面も有利と言えます。
長所・短所を踏まえ、コストを鑑みながら適材適所で使いわける形が望ましいでしょう。

さて今回はかし保険躯体検査 前後の工事の注意点・Ⅵ (水平構面:床組について)を確認しました。
床組は耐力壁に均等に力を流す役割があり、強い床組があれば建物の耐力壁全部に力を按分できます。
耐力壁を有効に働かせるためにも、しっかりと施工していきましょう。

では今回のまとめです。

次回は小屋組について確認します。どうぞお楽しみに♪

2022年9月1日
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