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第二回 かし保険防水工事の注意点とチェックポイント ~屋根・外壁まわり~

第二回 かし保険防水工事の注意点とチェックポイント ~屋根・外壁まわり~

屋根・外壁まわりの雨漏れ事故の要因とは?

保険事故として認定された雨漏れ事故のうち、
屋根・外壁まわりに多発している要因としては

◎屋根と壁の取り合い部分の施工不良
◎壁面、開口部まわりの施工不良

が挙げられます。

特に壁面については、防水紙や防水テープの納まりに対する施工不良が原因となる事故が多発しています。
雨漏れ事故を防止するためには、基本となる防水紙等の施工方法をここでもう一度確認していきましょう。

屋根・外壁まわりの防水紙施工で忘れてはいけないルール

屋根・外壁まわりの防水紙の種類と使い方

防水紙の一番必要な役割は、その名のとおり雨水の浸入を防ぐこと。
雨水は、屋根や家屋の骨組みに浸入すると、カビの発生や構造躯体の劣化を引き起こし、建物の寿命を短くしてしまうこともあります。
部位に合わせて適切な機能を持つ防水紙を正確に使い、しっかりとした施工をすることが、建物を守る第一歩となるのです。

① 屋根の防水紙は指定の防水性能を持つものを使う

【屋根の防水紙:下ぶき材】
下ぶき材は、必ず“ アスファルトルーフィング940 ”又は“ 同等以上の防水性能を有するもの等 ”指定の防水性能を持つものを使用する。

上記指定の防水性能と同等以上として取扱えるものは、アスファルトルーフィング工業規格「ARK- 04s」で定められた品質規格以上の商品となります。

② 外壁部は仕上げ・構法に合わせた防水性能を持つ防水紙を使う

【外壁まわりの防水紙】

  • 通気構法(外壁内に通気層を設け、壁体内通気を可能とする構造)とした外壁に用いる防水紙
    → JIS A 6111(透湿防水シート)に適合する透湿防水シート
    又はこれと同等以上の透湿性能および防水性能を有するもの
  • 通気構法ではない外壁に用いる防水紙
    → JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)に適合するアスファルトフェルト430
    又はこれと同等以上の防水性能を有するもの(透湿防水シートを除く)

外壁の防水紙は、乾式仕上げか湿式仕上げか、さらに湿式仕上げでも通気構法か否かで使用する防水紙の種類が異なります。
もう一度こちらで再確認しましょう。

防水紙の施工ポイント3か条

③ 防水紙の張り方を守る

  1. 指定の重ね合わせ寸法以上で張る
  2. 順番は下から上に張る
  3. 破れやたわみ、隙間がないよう密着させ一体化するように張る

防水紙の張り方のポイントは、まず、重ね代の確保です。
屋根、外壁とそれぞれに基準値があります。必ずそれ以上の寸法を確保しましょう。
また、張り付ける順番は下から上とし、破れやたわみ、隙間がないように密着させ、一体化するように張ることが重要です。

【屋根下ぶき材の重ね合わせ】

  • 下ぶき材は上下(流れ方向)は100mm以上、左右は200mm以上重ね合わせて下から張る
  • 谷部および棟部は、谷底および棟頂部より両方向へそれぞれ250mm以上重ね合わせる
  • 屋根面と壁面の取合いの立ち上げ長さは、250mm以上かつ雨押さえ上端より50mm以上とする。
  • 防水紙は軒先水切りの上に重ねて張る。

【外壁防水紙の重ね合わせ】

  • 防水紙の重ね合わせは、縦、横とも90mm以上とする。
  • 透湿防水シートの横の重ね合わせは、150 mm以上とし下から上に張り付ける。

※ ただし、外壁材製造者の施工基準において外壁材の目地や継ぎ目からの雨水の浸入を防止するために有効な措置を施すなど、当該基準が適切であると認められる場合は当該基準によることができる。

■ 壁止まり軒部の施工方法等 ・・・ 壁止まり役物の利用について

壁止まり軒部における雨漏り事故の原因は、雨水が外壁に流れてしまい外壁が劣化してしまうこと。
壁止まり役物とは雨水を壁際から離して軒樋に誘導する部材です。
壁止まり役物を使うことで溜まった雨水を樋に効率よく誘導できます。

2022年9月1日
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