臨機応変(りんきおうへん)時と場合により柔軟にうまく適切な判断をすること
とある銀河系のある小さな街で・・
地盤のカリスマ ピエール・ジバンシー先生のもと
地盤について学ぶ J1 号と J2 号。
今回は基礎について確認し、最終的な判定の事例を学んでいきます。
今回はいよいよ判定のケーススタディだが
その前に地盤と住宅を繋ぐ重要な部分「基礎」について確認しよう。
基礎の考え方を確認する
基礎の役割
基礎とは建物を支える部材のことです。『地震力が働いても平面形状が崩れない』こと、また『上部建物と一体化して動く』役割があり、地盤の上に立つ建物の構造と連動した計画が必要となります。
鉛直荷重への対応:建物の重量と荷重を地盤に均等に伝える
水平力の対応:地震の時に建物が受けた横方向の力を受け止める
〇 鉛直荷重対応
〇 水平力対応
上に立つ住宅に合わない基礎を選んでしまうと
意味がなくなってしまうんですね。
設計者は地盤調査データをもとに、
建物形状や荷重をふまえ慎重に検討しなければならない。
続いて木造住宅でよく使う基礎形式のそれぞれの特徴を見ていこう。
木造住宅の基礎の種類と特徴
木造住宅の基礎形式は直接基礎と柱状改良又は杭基礎の2つに大別できます。
直接基礎は補強の必要がなく地盤が安定している土地に採用される基礎工事です。基礎底面下の一定範囲内での自沈層が存在するような弱い地盤の場合は柱状改良や杭基礎を採用します。
詳しくはこちらをもう一度ご確認ください
○ 直接基礎の考え方
住宅で使う直接基礎には2種類の方法があります。
○ 布基礎とベタ基礎の違い
布基礎とベタ基礎の大きな違いは図のように接地面積の大きさです。荷重と水平力を面で受けるベタ基礎に対し、布基礎はフーチング(底版)を広くすることで荷重を受け止め、壁部分で常時や地震時に発生する水平力を負担します。ベタ基礎は接地面積が大きいので、許容応力度が弱い地盤でも使うことができます。
*地盤の許容応力度と基礎の構造についてはこちらをご確認ください。
しかし勘違いしないでほしいんだが、
決して「ベタ基礎の方が布基礎より強い」というわけではない。
そもそも基礎の種類で耐震性や強度に優劣はないし、
あくまでも地盤と建物の相性と建築エリア、
施工性や経済性を考えて
どちらが有利かを考えて選択していくことが必要だな。
○ 柱状改良又は杭基礎の特徴と種類
軟弱層が続く地盤の場合、布基礎又はベタ基礎の下に杭を利用することで、地面との接地力を高めます。杭の種類や方法は軟弱層の深さにより選択します。
なお木造の場合の地盤改良として「表層改良」がありますが、カテゴリ的には「杭状改良又は杭基礎」に分類され、一般的に支持層がGLから地中2mの所にあれば、「表層改良」、2~8m程度の所にあれば「柱状改良」となります。
*地盤改良・地盤補強の考え方についてはこちらをご確認ください。
軟弱地盤の場合は+αとして地盤にあった杭等で
補強するということですね。
基礎と杭の関係がようやくわかりました!
いよいよ選定方法について説明していこう。