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Lesson8:地盤判定 ~日進月歩~

地盤判定とは

 地盤判定とは地盤調査を行った試験結果の数値データや宅地の地形条件などに基づき、その地盤に建築する建築物に対して「必要な支持力の確保」「圧密沈下の可能性」の検証の上、「どの補強・改良工事が最も適切か」総合的に判定するものです。

地盤解析データの確認ポイント
新規盛土の有無
土地の成り立ちの確認
 地形・土質区分による検討
現地ロケーションの確認
 地下水・擁壁・造成地・土以外の産業廃棄物の有無など
自沈層の分布する範囲の確認
 SWS試験データより基礎底面下の一定範囲内での自沈層の存在を確認する
支持層の深さの確認
 SWS試験データより基礎底面下の一定範囲内での支持層の存在を確認する
地盤の長期許容応力度の確認

スクリューウエイト貫入試験による地盤補強・改良工法の選定例

出典:NPO住宅地盤品質協会 住宅地盤の調査・施工に関わる技術基準書(2019年第4版)

* 地盤解析については各事業者・法人により判断が異なります
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ジバンシー先生
地盤判定は様々な方法がある。
こちらに挙げたのはあくまでもひとつの判定方法として理解してほしいんだが、SWS試験からの検証は
自沈層の有無×支持層までの深さ(中間層の厚さ)
が重要な判定要素になる。
ざっくり言うと
基礎底面に近い2mまでが弱いのなら面的な地盤改良
支持層までの中間層が弱いのなら、杭状の改良や杭補強工法を検討する
ということだ。
*自沈層の深さの基準となる~2m、2~5mの意味は以下のページを再確認
  → 地盤ゼミナール! Lesson4
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J2 号
新規盛土があった場合はどう考えていくとよいのでしょうか?
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ジバンシー先生
盛土については以前不同沈下の時に少し触れたことがある。
  → 地盤ゼミナール! Lesson2
問題なのは、盛土は自然に堆積した土に比べて、経過年数が浅く収縮しやすいということだ。
埋め立て時期の違う土が共存していたり、
切土と盛土が混在したりすると圧密沈下量が異なって不同沈下を起こしやすい
だから新規盛土のある土地はまず、盛土・埋め戻し土の状態、厚さ、造成後の経過年数を確認する必要があるんだ。
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J1 号
先生!地盤の長期許容応力度はどう考えればよいのですか?
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ジバンシー先生
そうそう。大事なことを言い忘れていた。
建設省告示1347号では地盤の長期許容応力度に応じた基礎の判定基準があるんだ。

〇 地盤の許容応力度と基礎の構造

* ここでの基礎ぐいとは基礎を支持するため土中に打込む杭(木杭、コンクリート杭、鋼杭、砂杭など)を指す
出典:建築基準法 施行令第38条および平12建設省告示第1347号
出典:平12建設省告示第1347号第2の三
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ジバンシー先生
前回、前々回で長期許容応力度は
SWS試験の全測定地点において
長期許容応力度≧設計接地圧

でなければいけないことを説明したが
長期許容応力度が20kN/㎡未満の地盤なら、
基礎には杭が必要になる
ということだな。
合わせて確認しておくとよい。

さてここまでのところで何か質問はあるかな?
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J2 号
…そうですね、頭ではなんとなく理解できるんですが、
実際どう考えていけばいいのかちょっと不安です…。
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J1 号
はい、あと地盤と基礎の関係性もまだよくわからなくて・・
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そうだな、では次回に少し事例研究をして
基礎と地盤についても説明するとしようか。
J1号 J2号
はい!ぜひよろしくお願いします!!

ジバンシー先生のワンポイントレッスン

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ジバンシー先生
今回は地盤置換工法での新工法についてご説明します。

地盤置換工法とは軟弱層の一部または全部取り除き、良質土で置き換えることによって良好な支持地盤を形成する工法です。しかし土の質が違うものを埋め込むと不同沈下を起こす可能性もあることから、最近では土ではない素材で置き換えることで地盤を改良していく工法が新しく開発されています。
D-BOX工法は透水性を有する特殊な袋に定量の砕石を投入して土嚢状にし、ランマ等で転圧することで生じる張力から発生した摩擦力を利用して地盤を置き換える工法です。
将来的に撤去がカンタンで工期も短く、狭小地にも使えます。
地盤の改良・補強工法は本当に日々進化を遂げているのです。

2023年11月21日
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