2019年がスタートしました。
今年は元号が変わったり、現時点では未確定ですが消費税10%に移行する動きもあり、何かとあわただしい1年になりそうですね。
でも、事業者の皆様にとって最も気になることは、増税確定後の“ 住宅取得支援策 ”のこと。
ここでは、予定されている増税前と増税後の流れや、住宅取得支援策について、お伝えしていきます。
目次
消費税増額にともなう住宅取得支援策とは?
予定通り平成31年度予算が成立した場合、駆け込み工事が増えたり、
その後の住宅市場が冷え込んでしまったりする可能性もあります。
また、原則として消費税は引き渡し時点の税率での課税となりますが、契約時から引き渡しまでの間に税率が上がってしまう場合、消費税はどちらが適用になるのか、という疑問も出てきます。
今回の支援策では、増税確定後でも住宅取得にメリットがあるように設定されています。
また、適用税率については、住宅施工の形態によって細かなスケジュールが提示されています。
対象は自ら居住する住宅に限り
・住宅ローン控除の延長&すまい給付金の拡充
・次世代住宅ポイント制度の創設
が支援策のポイントとなります。
それでは具体的に内容を見ていきましょう。
増税負担が打ち消される?住宅ローン控除の延長とすまい給付金の拡充制度
◎住宅ローン控除の延長について
現行の住宅ローン控除の概要
- 合計所得金額が3000万円以下であること
- 10年以上の住宅ローンを組むこと
- 取得する住宅の床面積が50㎡以上であること
増税確定後の住宅ローン控除延長の流れ
基本条件の変更はありませんが、増税後の一定期間に住宅を取得して入居した場合、控除期間が3年間延長され、合計の減税額が増えることになります。
◎すまい給付金の給付額の変更について
すまい給付金とは、自己居住用として住宅を取得した場合、年収が一定以下の世帯に国から現金の給付が受けられる制度です。これまでは主に住宅ローン控除であまり恩恵を受けられない世帯を対象に支援するためのものでしたが、今回の変更では510万超~775万以下の年収層も対象となり、幅広い所得層が恩恵を得られるようになります。
現行のすまい給付金の概要と対象住宅
その期間中に引き渡しを受けて入居が完了した住宅が対象
- 床面積が50㎡以上であること
- 施工中に第三者機関の検査を受けた住宅であること(瑕疵保険を付けた住宅など)
- 住宅ローンを利用していない場合は年齢が50歳以上の者も可能
増税確定後のすまい給付金の給付額比較
◎消費税8%と10%の損得は?
さてこれらの施策をもとに、実際に消費税が8%から10%になったところで、どれぐらいの違いが出てくるのでしょうか?
簡単にシミュレートしてみましょう。
土地を買って注文住宅を建てた世帯年収580万円(社会保険料控除後 496万円)の家族の場合
(専業主婦・16歳未満の子ども1人の3人家族)
上記の条件では消費税の増額分が住宅ローン控除の延長分で相殺され、すまい給付金の増額分がメリットとなっています。
ただし、これはすべての条件に当てはまるわけではなく、また、増税後の建築費の上昇を考えると、増税後誰もが必ずトクをするとは言い切れないでしょう。
案件ごとの慎重な検討を踏まえ、住宅取得のお勧めの時期を見極めていきたいものです。
今回は増税後に予定されている住宅取得支援制度のあらましとして、
『住宅ローン控除の延長とすまい給付金』の概要についてお伝えいたしました。
(繰り返しになりますが、2019年1月15日時点では、平成31年度予算の成立はしていませんので、あくまでも予定となります。今後の政府の発表に十分注意をしてください)
なお、2月1日(金)より国土交通省が消費税率引上げに伴う住宅取得支援策などの説明会を全都道府県にて開催するようですのでこちらも併せてご確認ください。
【国土交通省開催】消費税率引上げに伴う住宅取得支援策などの説明会
次回は後編として、消費税アップの場合の契約から引き渡しまでのスケジュールや適用除外について、また新設された『次世代住宅ポイント制度』についても併せてお伝えしていきます。
どうぞお楽しみに!