GMEN PRESS

Lesson7:地盤解析から判定へ ~先見の明~

事例検証2

SWS試験データの確認

○ 計画地測点1(中央部)のSWS試験データ

SWS試験データの見方はこちらをもう一度ご確認ください。

○ SWS試験データ 全測定地点荷重グラフの比較

アバター
J2 号
うわーお!これはちょっと大変な地盤ですね・・。 
測点1は盛土のところだけ支持力出てて、
あとは0.25kN/㎡でも全然支持できないところがある。。。
アバター
J1 号
荷重グラフで見ると、同じ敷地でも多少強度が変わるんですね。
盛土のところもすべての地点でOKというわけではないし。
特に2.25~3m地点が全般的に弱いですが、
前後の強度は地点格差がありますね。
で、4.5mを超えるとやっと強い層にぶち当たると。
…全体的にみてやっぱりかなり弱い地盤かと。
アバター
ジバンシー先生
谷底低地の典型的なパターンだ。
谷底低地はこれまでは住宅ではなく、
田んぼの用途で使われることが多かったんだが、
近年は開発により盛土をして
住宅を建てようとするケースが増えてきた。
だからこのように表層はなんとかなっていても、
中身がズブズブなことが多い。
また軟弱層厚にばらつきがあるのも
谷底低地のもう一つの特徴だな。
正直住宅地盤としてはかなり不安定な土地といえる。
続けて長期許容支持力と許容沈下量データを確認しよう。

長期許容支持力と許容沈下量

○ 長期許容支持力(小規模建築物基礎設計指針による)データと算定

   計画地の設計接地圧:ベタ基礎・20kN/㎡
   ※ Wsw、Nswの値は基礎下2.25mの範囲の平均値を採用

アバター
J2 号
ああ、やっぱり長期許容支持力取れてない…
アバター
ジバンシー先生
長期許容支持力は全測点で
設計接地圧を上回らなければならない。
計画地は長期間建物を支えきれない地盤ということになるな。
基礎底面から2~5mの間に半回転数(Nsw )0.5kN以下で
自沈する層もあるので沈下についても見ていこう。

○ 沈下データと算定

沈下についてはこちらをご確認ください。

アバター
ジバンシー先生
沈下については前回に話した通り、
①の圧密降伏応力と③の最終応力(有効上載圧)を比較して
①>③となっているか検証
する。
計画地の中央の測点1では盛土より深い1.75~3m、
4~4.5m地点で①<③
だ。
また⑤の総沈下量も5.65㎝となり、地盤が反発する力は弱い。
ここで他の測定地点の総沈下量も見ておこう。

○ 測点別の総沈下量の比較

アバター
J1 号
あれえ?測点4は沈下0なんですね。
長期許容支持力出てなかったのに。。。
アバター
ジバンシー先生
そう、沈下は地盤の長期許容応力度とは別モノなんだ。
長期許容応力度は安定的に建物を支える力を示し、
沈下については地盤が沈んでも体積変化しない変形対応力を意味する。
概ね支持力の弱い地盤は変形対応力も弱いものだが、
測点4は、支持力は弱いが変形には対応できるということだ。
さて、計画地の状況を見てみると、測点ごとの沈下量の格差が大きいな。
このような場合は「不同沈下」について検証が必要になる。
不同沈下は以前概要説明したが、もう一度確認しておこう。
2022年9月1日
Return Top