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まだ知られていない?
【フラット35】リノベの魅力

まだ知られていない?【フラット35】リノベの魅力

中古住宅のリノベーションや再販事業を行う上で、顧客に提示できる「ローンの選択肢」は、契約を左右する重要な要素です。【フラット35】リノベは、リノベーション費用も含めて低金利で利用できる全期間固定の住宅ローンです。しかし、まだ十分に知られていないのが実情です。本記事では、その特徴や活用のメリットをわかりやすくまとめました。

【フラット35】リノベとは?

中古住宅の購入とあわせて、一定の要件を満たすリフォームを実施することで、【フラット35】の借入金利を一定期間引き下げる制度です。「中古住宅を購入後に自らリフォームを行う場合(リフォーム一体タイプ)」と「住宅事業者がリフォームを行った中古住宅を購入する場合(買取再販タイプ)」があります。また、条件を満たすことで1ポイントあたり当初5年間、0.25%金利を引下げるポイント制度があります。

金利引下げポイントについて

○金利引下げメニュー

金利引下げメニューポイント数金利引下げ期間金利引下げ幅
【フラット35】リノベ(金利Aプラン)4ポイント当初5年間年▲1.0%
【フラット35】リノベ(金利Bプラン)2ポイント当初5年間年▲0.5%

※参照先:【フラット35】HP 〉【フラット35】リノベ

新築住宅の場合、4ポイント分の金利引下げを建物だけで受けようとすると、ZEH+長期優良住宅の組み合わせが必要となり、2ポイント分だと認定低炭素住宅等にする必要があります。では、中古住宅の場合、どのような基準でポイントが付与されるのかを確認したいと思います。

2025年4月の改正と「中古プラス」

2025年4月以後の物件検査申請分から、【フラット35】リノベの適合要件であったリフォーム工事金額が撤廃されました。また、劣化等がないことを確認することで1ポイントが付与される中古プラスが加わりました。

金利Aプラン2025年4月以降の適合要件
①リフォーム工事後の住宅の要件(以下のいずれか)
省エネ耐震バリアフリー耐久・可変
・断熱4&一次エネ6
・断熱5&一次エネ4
・耐震2以上
・免震
高齢者3以上・長期優良
・劣化対策等級3&維持管理2以上

リフォーム工事金額要件 なし

中古住宅の維持保全に係る措置(以下のいずれか)
インスペクションの実施かし保険の付保等
住宅履歴情報の保存維持保全計画の作成
金利Bプラン2025年4月以降の適合要件

性能の向上に資するリフォーム工事

リフォーム工事金額要件 なし

中古住宅の維持保全に係る措置(以下のいずれか)
インスペクションの実施かし保険の付保等
住宅履歴情報の保存維持保全計画の作成

※参照先:【フラット35】HP 〉トピックス

この改定により恩恵を受けるのは、2ポイントが付与される金利Bプランになります。マンションの場合、壁紙や床を一新しても200万円に届かず対象とならなかったという事例もありました。今回のリフォーム工事金額撤廃により、戸建・マンション共に金利Bプランが利用しやすくなりました。また、【フラット35】中古プラスも導入され、一定の基準を満たした中古住宅を購入する場合、さらに1ポイントの金利引下げが受けられます。

○【フラット35】中古プラスの技術基準

検査箇所技術基準
一戸建てマンション
住戸内著しい沈み、仕上げ材の割れ、欠損、剥がれがないこと
天井仕上げ材の著しい割れ、欠損、剥がれ、腐食、漏水の跡がないこと
階段構造体、踏面の著しい沈み、欠損、腐食等がないこと、手すり等の著しいぐらつき、腐食がないこと
バルコニー手すり等の著しいぐらつき、腐食がないこと
雨樋破損がないこと
屋外に面する開口部建具周囲に隙間、建具の著しい開閉不良がないこと、手すり等の著しいぐらつき、腐食がないこと
給排水・給湯設備給排水管の接続部分、トラップ周辺に漏水又は漏水の痕跡がないこと

※参照先:【フラット35】HP 〉【フラット35】中古プラスの技術基準

中古プラスの技術基準の内容を見てみると、今のご時世、居住目的での売買であれば、割と当たり前の水準です。この制度は、【フラット35】リノベ、【フラット35】子育てプラスと併用することができ、さらなる金利引下げの恩恵を受けられます。

金利引下げポイントの併用

ここでは一例を参考に、複数の金利引下げポイントを組み合わせることでの金利引下げの期間について確認したいと思います。

【フラット35】リノベで複数の金利引下げポイントを併用した例

✓リノベ済中古住宅で金利Bプランに該当:2ポイント                                      ✓中古プラスに該当:1ポイント                                               ✓子どもが2人がいる世帯:2ポイント
✓金利引下げポイントの合計:5ポイント                                          ◎5ポイントの金利引下げ幅と期間:当初5年 ▲1.00%※基準金利より                                                          

6~10年目 ▲0.25%

※参照先:【フラット35】HP

このように、複数の金利引下げポイントを組み合わせることで、長期に渡って金利を引下げることができます。お客様の状況に合わせて、どのポイントが適用されるかを確認してみることをおすすめいたします。

金利Aプラン・Bプランの違い

金利A・Bプランでは工事での達成条件が大きく異なります。まずは金利Aプランの適用に必要な技術基準の概要を確認します。

○【フラット35】リノベ(金利Aプラン)の技術基準の概要

基準項目等技術基準
次の(a)から(d)までのいずれかの基準に適合すること
(a) 省エネルギー性次のいずれかに適合する住宅
①断熱等性能等級4及び一次エネルギー消費量等級6の基準を満たす住宅
②断熱等性能等級5以上及び一次エネルギー消費量等級4以上の基準を満たす住宅
③認定低炭素住宅等
④性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)
(b) 耐震性次のいずれかに適合する住宅
①耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の基準を満たす住宅
②免震住宅
(c) バリアフリー性次のすべてに適合する住宅
・高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の基準を満たす住宅
・高齢者等配慮対策等級(共用部分)3以上の基準を満たす住宅(共同建てに限ります。)
(d) 耐久性・可変性次のいずれかに適合する住宅
①劣化対策等級(構造躯体等)3、維持管理対策等級(専用配管)2以上、維持管理対策等級
(共用配管)2以上、躯体天井高の確保(2.5m以上)及び間取り変更の障害となる壁又は柱が無いこと
②長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成20年法律第84号)の規定により長期優良住宅建築等計画又は長期優良住宅維持保全計画が認定された住宅

※参照先:【フラット35】HP 〉【フラット35】リノベの技術基準

どの基準を見ても、精緻な設計図を作成し、様々な計算を行い、今の新築住宅基準並みの水準を達成するフルリフォームが前提となる場合が多いです。一方、金利Bプランは、「性能の向上に資するリフォーム工事」となっております。では、次に金利Bプランの具体的な工事例を見てみましょう。

○【フラット35】リノベ(金利Bプラン)の具体的な工事例

基準項目等工事例
省エネルギー性開口部に内窓を取り付ける工事など
耐震性筋かい又はフレームを新設する工事など
バリアフリー性床の段差を解消する工事など
耐久性・可変性劣化した部材又は設備機器を補修または交換する工事など

※参照先:【フラット35】HP 〉【フラット35】リノベの技術基準

このように、金利Bプランは、断熱性能の計算や構造計算が必要ない工事でも対象です。耐久性・可変性であれば、壁紙と床材の交換工事のみでも金利Bプランの工事内容に該当します。
以上のように、金利A・ Bプランの違いによるリフォーム工事の内容は大きな差があるので確認申請を出すようなフルリフォームを検討しているのであれば、金利Aプラン、それ以外であれば金利Bプランと、工事内容に応じて使い分けることができます。

維持保全に係る措置

フラット35リノベを利用する場合、建物の基準だけではなく維持保全に係る措置も必要となります。『インスペクションの実施』、『瑕疵保険の付保等』、『維持保全計画の作成』、『住宅履歴情報の保存』のうち一つを満たせばいいという内容です。買取再販事業であれば、宅建業の2年間の契約不適合責任を負っておりますので、既存住宅かし保険を活用すればリスクヘッジにもなるのでオススメです。一番お手軽なのは、住宅履歴情報の保存になります。今回のリフォーム工事に関する書類をどこに、どのような形で保存するかを申請するだけですのでハードルは低いです。

まとめ

金利の上昇が言われている昨今、住宅ローンの選択肢として固定金利の【フラット35】が再注目されております。中古物件で上手く状況整理すれば、今回紹介した【フラット35】リノベの金利Bプランと中古プラスを併用することで、高性能新築住宅並みの金利引下げが受けられます。銀行の住宅ローンと比べると、中古住宅の【フラット35】は適合証明の検査があり、手間がかかり、場合によってはNGになる可能性もあるのでやりたくないという意見を聞いたことがあります。確かに検査の手間は発生しますが、建物自体で金利引下げが3ポイントも受けられるというのは買主であるお客様にとって魅力的です。買取再販物件であれば、検査はリフォーム後の一回のみです。また、NGになる可能性については、【フラット35】特有の戸建木造物件の耐久性基準である基礎高床下換気のところになってきます。特に基礎高300mmの基準についての補修は難しいですが、現地調査などでA4クリアファイルを基礎に縦に当て、300mmあるかどうかを確認いただければクリアできます。マンションでも新耐震基準、管理規約有り、20年以上の長期修繕計画で鉄筋の露出が無いものであれば利用可能です。
最大▲1.00%の金利引下げが受けられ、固定金利で住宅ローンが組める」【フラット35】リノベを活用してリフォーム事業に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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