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フラット35 2026年春、制度が大幅拡充

フラット35 2026年春、制度が大幅拡充

国土交通省および住宅金融支援機構は、固定金利型住宅ローン「フラット35」について、住宅価格の高騰や金融環境の変化を踏まえ、制度の大幅な見直しを行う方針を公表しました。
今回の見直しでは、融資限度額の引上げをはじめ、床面積要件の緩和、借換融資の制度拡充、特定残価設定ローン保険の創設、借入期間基準の延長など、利用者の選択肢を広げる複数の施策が盛り込まれています。

制度見直しの背景

近年、都市部を中心に住宅価格が上昇しており、従来のフラット35の融資限度額では十分な資金を確保できないケースが増加しています。また、金利上昇局面においては、将来の返済負担を見据え、固定金利型住宅ローンを選択したいというニーズも高まりつつあります。
こうした市場環境の変化を受け、フラット35の制度を現状に即した形へ見直すことが今回の改正の目的とされています。

今回の主な制度改正

① 融資限度額の引上げ

フラット35の融資限度額は、現行の8,000万円から1億2,000万円へ引き上げられる予定です。これにより、住宅価格が高騰しているエリアにおいても、フラット35を活用した住宅取得がしやすくなります。

予定時期:2026年4月以降 資金実行分から

② 一戸建て住宅等における床面積要件の緩和

これまで一戸建て住宅等では、床面積70㎡以上がフラット35の対象要件とされていましたが、今後は50㎡以上へと要件が緩和されます。

予定時期:2026年4月以降 物件検査申請分から

③ 借換融資における制度拡充

a. 金利引下げ制度の創設

子育て世帯や若年夫婦世帯を対象とした金利引下げ制度「フラット35子育てプラス」が、借換融資にも適用可能となります。これにより、変動金利から固定金利への借換を検討する子育て世帯等の負担軽減が期待されます。

予定時期:2026年3月以降 資金実行分から

b. 借入期間の基準を延長

借入期間を算定する際の基準年数について、従来の35年基準から40年基準へ延長され、「完済時年齢が80歳になるまでの年数」と「40年」のうち短い方が借入期間(上限は35年になります。これにより、柔軟な返済計画を立てやすくなります。

予定時期:2026年3月以降 資金実行分から

④ 特定残価設定ローン保険の創設

月々の返済負担を抑える仕組みとして、残価設定型住宅ローンの普及を支援するための「特定残価設定ローン保険」が新たに創設されます。残価設定型住宅ローンは、将来の住宅価値に相当する部分を返済対象から切り離し、主に居住期間中の返済額を抑えることを目的とした仕組みです。
今回の住宅金融支援機構(JHF)の保険制度は、残価に関するリスクをカバーすることで、金融機関による商品の提供を後押しする役割を担います。

予定時期:2026年3月予定

制度改正による影響と今後の予定

今回の制度改正により、住宅取得時の資金計画の自由度が高まるとともに、借換を通じた金利リスクの低減が図りやすくなります。また、床面積要件の緩和や残価設定型ローンの導入支援により、住宅の選び方や住まい方の多様化にも対応した制度となっています。

開始時期は2026年春以降

各制度の詳細条件や正式な取扱開始時期については、今後あらためて公表される予定です。施行時期は2026年3月から4月頃が想定されています。

まとめ

今回のフラット35の制度改正は、住宅価格の上昇やライフスタイルの多様化を背景に、住宅ローン利用者の負担軽減選択肢の拡大を目的とした内容となっています。
融資限度額の引上げや床面積要件の緩和により、これまでフラット35の利用が難しかった層にも門戸が広がりました
また、借換融資の拡充や借入期間基準の延長により、既存の住宅ローン利用者も含め、返済計画を見直しやすい環境が整えられています
さらに、特定残価設定ローン保険の創設により、将来の住宅価値や住み替えを見据えた新たな住宅ローンの形が制度として位置付けられた点も大きな特徴です。
一連の改正は、単なる融資条件の緩和にとどまらず、「住宅を取得した後も安心して住み続け、必要に応じて住み替えられる」ことを支援する方向へと、フラット35の役割が進化していることを示しています。
住宅事業者にとっても、資金計画の提案幅を広げる制度改正として、今後の営業や顧客説明において重要なポイントとなりそうです。

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