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中古住宅取得時の税制優遇措置と瑕疵保険

「耐震基準を満たすこと」の確認方法の違い

一般的に新耐震基準と言われる建築基準の見直しは1981年に行われており、それ以降に建築確認を行った住宅を「新耐震基準を満たした住宅」といいますが、その後も阪神大震災等を受けて建築基準は改定されており、現行の建築基準は1981年の基準よりも厳しくなっています。

「耐震基準適合証明書」を発行するための適合性の確認は、現行の建築基準で行いますので、1981年以降に建築確認を行った住宅でも適合しない場合があります
また、証明書の取得にはそれなりの費用が掛かります。

一方で、「既存住宅売買瑕疵保険に加入するための住宅の要件」は、“ 新耐震基準を満たしていること ”なので、新耐震基準が施行された1981年6月以降に建築確認を受けたことが確認できる確認済証等の書類の提出があれば、現行の建築基準への適合性を確認することなく加入することができます

現場検査に適合することなど保険の加入にあたりいくつかの要件がありますが、1981年から1999年(非耐火建築物は1994年)の間に建築確認を受けた住宅については、現行の建築基準に照らした耐震性の確認を行うことなく、税制優遇措置を受けられます

既存住宅売買住瑕疵保険の付保証明書の証明書類としての有効期間は2年間のため、有効期間内のものであれば、税制優遇措置を受けようとする売買の際のものでなくても構いません。

新耐震基準を満たさない住宅を取得する場合の取扱い

通常、新耐震基準を満たさない住宅を取得する場合は、税制優遇措置を受けることができません。
ただし、個人間売買の場合は、引渡後に買主が耐震改修工事を行い、既存住宅かし保険(個人間売買)に加入することで例外的に一部の税の優遇措置を受けることができます

引渡しの時点で証明書類が必要となる「登録免許税の軽減措置 」は対象外ですが、「住宅ローン減税」や、「贈与税の非課税措置」、「不動産取得税の軽減措置」は適応を受けることができます。

この場合は、耐震基準適合証明書の取得と同様に現行の建築基準に適合する必要があります。そのほか、税制優遇措置ごとに、保険に加入するまでの期限がありますので注意が必要です。

なお、買取再販住宅については、宅建業者がリノベーション工事を行い販売することが一般的で、買主が取得後にリフォームを行うケースが少ないため、新耐震基準を満たさない住宅を購入する場合は税制優遇措置を受けることはできません。

中古住宅と住まい給付金

消費税率の引き上げに伴う対応として、2014年から住まい給付金の制度が開始しています。
住宅ローン減税と同様に中古住宅の取得も住まい給付金の対象となりますが、宅建業者による買取再販住宅を取得する場合に限られます
(注) 個人間売買の場合は、消費税が課税されないため住まい給付金の給付の対象とはなりせん。

住まい給付金の制度概要についてはこちらから確認できます。

増税後はどうなる?住宅取得支援制度のあらまし(前編)

住まい給付金を利用するためには取得する住宅が一定の検査を受けていることが必要です。
中古住宅を取得する場合は、既存住宅かし保険(宅建業者販売)の引受時に行う現場検査がこの検査に該当するため、取得する住宅が保険に加入していれば住まい給付金を利用できます。 (この場合、既存住宅かし保険(宅建業者販売)の付保証明書を証明書類として提出します。)

住まい給付金は利用できる方の年収に上限がありますが、10月に予定されている消費税率の引上げに際しては、住まい給付金を利用できる年収層と給付額が拡大されるため、住まい給付金の利用は大幅に拡大する見込みです。

消費税率の引上げに伴う拡大措置はこちらから確認できます。

増税後はどうなる?住宅取得支援制度のあらまし(前編)

なお、築浅の住宅が買取再販市場に出てくることはあまり多くありませんが、
新築時に住宅瑕疵保険(任意保険を含む)が付保された築10年以内の中古住宅を取得する場合は、住まい給付金の利用のために既存住宅かし保険(宅建業者販売)に加入する必要はありません。(この場合、住宅瑕疵保険の付保証明書を証明書類として提出します。)

買取再販住宅の取得時の登録免許税の軽減幅の拡大措置

一定のリフォーム工事が行われている築10年超の買取再販住宅を取得する場合は、2020年3月までの間、建物の所有権移転登記に対する登録免許税の軽減幅が拡大します。

この取扱いを受けるためには築年数に関わらず「取得する住宅が耐震基準を満たすこと」の証明書類が必要ですが、一定の築年数を経過した中古住宅を取得する際の登録免許税の軽減措置と同様に既存住宅かし保険(宅建業者販売)の付保証明書を証明書類として活用できます

一定のリフォーム工事として認められるためには、次のとおり対象となるリフォーム工事を行う必要がありますが、「給排水管の工事や防水部分の工事」を対象工事として申請する場合は、売主である宅建業者が既存住宅かし保険(宅建業者販売)に加入することが要件となります。

『一定のリフォーム工事として認められる条件』について
リフォーム工事に『大規模な改修』『耐震改修』『バリアフリー改修』『省エネ改修』『給排水管や防水部分』のいずれかの工事を含み、その工事部分の請負金額が建物価格の20%以上の金額(上限300万円)であり、かつ次のいずれかの要件を満たすことが必要です。

  • 『大規模な改修』『耐震改修』『バリアフリー改修』『省エネ改修』の工事部分の請負金額の合計が100万円以上
  • 『耐震改修』『バリアフリー改修』『省エネ改修』のいずれかの工事の請負金額が50万円以上
  • 『給排水管や防水工事の部分』の請負金額が50万円以上で、かつ既存住宅かし保険(宅建業者販売)に加入すること

この税制特例を利用するには、既存住宅かし保険(宅建業者販売)への加入のほか、対象となるリフォーム工事を行っていることを証明するために売主である宅建業者が、「増改築等工事証明書」を取得する必要があります。

最後に

既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅を取得時に保険を活用した住宅の瑕疵の保証を通じて買主に安心を提供することを本来の目的とするものですが、中古住宅取得時の各種税制優遇措置を受けるためのツールとしても活用できるため、ニーズに応じてご利用いただけます。ぜひご活用ください。

消費税率引上後の新築住宅取得支援制度のあらましについてはこちらをご覧ください。

増税後はどうなる?住宅取得支援制度のあらまし(前編)

増税後はどうなる?住宅取得支援制度のあらまし(後編)


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